フライパン倶楽部

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商人日記 - A SHOPKEEPERS'S JOURNAL -

商人とは何か。自分とは何か。自由とは何か。店長が綴る明日への旅日記です。

財政自立の確保

商業とは何か。それは、他に寄りかからず自分の力で生きていくこと。独立自営の要素が色濃く投影されている言葉だと思います。 コロナ禍により商業が厳しい状況におかれると、行政などが支援をしてくれます。 しかし、それに甘んじてはなりません。本来は、行政を支える側にあるのが商業の立ち位置です。 補助金を頂くことは、結果に対する責任がなくなる傾向があり、商人の独立心が削がれてしまう。 本来はリスクをとって投資する。結果を出すことが前提です。その重い責任が、独立心と結ばれています。 ちょうど、日本学術会議の独立化が議論されていますが、独立とはまず財政自立を確保する必要があります。 国からお金を頂く前提では、国からの独立は語れません。 私学助成も然りで、私学が建学理念を守るためには、財政自立を確保している必要があります。 独立するためには、自分でお金を握っていることが求められます。そのために、福沢諭吉は、簿記を海外から輸入しました。 わが郷里出身の中村道太は、福沢とともに、この簿記を広める働きをしていました。 先人たちは、商業の本質をつかんでいました。

2023年12月23日

アンクルトムの小屋

アニメ「窓際のとっとちゃん」を夫婦で鑑賞して参りました。 とっとちゃんのクラスメイトで足が不自由であったやすあきちゃんが登場します。 そのやすあきちゃんが、とっとちゃんに貸した本が「アンクルトムの小屋」でした。 その本を通じて、バイオリニストのとっとちゃんのお父さんは、自由は誰にも奪われるものではないと悟り、 戦時下で軍歌演奏を断る決断をします。 この本は、南北戦争をひき起こして、奴隷解放宣言をもたらしたと言われます。 大学時代に読んで、嗚咽むせび泣くほど心打たれました。 この本に登場するエバンジェリンという女の子とやすあきちゃんが重なるのですが、 夭折するやすあきちゃんは、このエバンジェリンの生き様から激励をもらったように思いました。 そして、私たち夫婦の結婚式では、この本を参列者に贈呈させて頂きました。 そこに、「心の貧しいものは幸いです。天の御国はその人のものだからです。」この言葉を入れてもらいました。 この年になって、この言葉の意味を噛みしめることができるようになりました。 また、この原点に返るように天からのメッセージのように響いて参ります。

2023年12月11日

明生フェスタ

点字図書館「明生会館」の明生フェスタに参加して参りました。 会場入口の舞台で、ギターを片手に歌っている女性がいて、その歌とお話に聞き入ってしまいました。 高校一年生の時に、網膜色素変性症と診断されて、短大卒業後に念願の保育士となりますが、3年で退職。 進行性の難病のため、現在ではほとんど見ることができないのだと。そして、田原市在住と伺い、 田原市で現在保育士をしている私の娘と重なりました。そして、親御さんのことを思いました。 そんな彼女が田原の魅力を作詞作曲した 「いいじゃん田原」を披露。 最後のフレーズは「田原の一番いい所、田原の人はみんな暖かいでのん」 もう一つ、ご自分で作詞した「ありがとう」。 そのタイトルを紹介時に聞いた時点で、涙があふれてしまいました。 母親としてのご自身の率直な想いを歌詞にしていました。 「私ががんばろうと思うのは子どもたちにかっこいいお母さんだと思ってほしいから」 その時も、彼女の背後でご主人と二人のお子さんはじめご家族が支えていました。 こんな歌が生まれる街だからこそ、田原は暖かいと思いました。

2023年12月08日

塾歌からの激励

大学時代に敬愛する高齢の牧師から、福澤諭吉が戦火の中でも講義を続けた話を伺いました。 その講義に使われていたのが、ウェーランドの経済書( The elements of political economy)でした。 なお、ウェーランドは牧師でもあり、修身論( The elements of Moral Science)も著していて当時義塾でも使われていました。 それを翻訳したのが、わが故郷の藩士であった阿部泰蔵であったことを最近知ります。 慶應義塾では、毎年5月15日をウェーランド経済書講述記念日としていますが、それは慶應義塾塾歌にも表れています。 歌詞にある「旗を樹(た)てる」とは、戦火の中でも学問の命脈を絶やさないこと。 困難があっても、自由のための気概を持ち続けることと解せます。 この塾歌を作曲したのが信時潔さんでしたが、私の子供たちがお世話になった豊橋市立二川中学校の校歌も作曲されていました。 この年になって、さまざまなつながりを通じて塾歌が思い出されて激励を頂いています。 「樹てんかな、この旗を。強く雄々しく樹てんかな。あゝわが義塾・・・」あゝの響きに、先人たちの生き様が浮かび上がります。

2023年11月30日

竹島にそよぐ風

蒲郡の竹島園地公園に行ってきました。空にはトビが鳴きながら何羽もくるくると舞っていました。 陸から竹島への橋下には、多くの水鳥が静かに佇んでいます。風がとても心地よく、鳥たちも風を楽しんでいるようでした。 そんな公園内に、海辺の文学記念館があります。そこは常陸館という旅館でした。 すでに建物は変わってしまいましたが、和室から見える景色は当時と同じだったと思います。 そこに、来館者ノートが置かれていて、さまざまなコメントが綴られていました。 恋を患っている若者の文章に出会い、率直な胸の内を文章にすることが文学かなと思いました。 私もその文章に刺激されて、当座の心境を即興で綴ってみました。 その時、眼前に広がる海が、自分の思いをじっと聞いてくれているように感じました。すると、自分の思いが言葉となって生まれてくるようでした。 それでも、海は何も答えません。だからこそ、前を向いて生きていくことを自分で悟れるようでした。 帰りの車で「千の風になって」が流れてきて、思わず涙が溢れました。目には見えないけれど、私は一人ではなく見守られているのだと。

2023年11月11日

二村真一君と白百合

小中学生時代の同級生であり、街づくりの盟友であった二村真一君が逝去されました。 こちらのYouTubeで ありし日の彼を偲ぶことができます。彼の未来像は「受け継いだ資産を生かす次代の街」 特に、駅前立地のような公共性の高いところでは、みんなで取り組む公共心が問われます。 その点で彼は率先して市議会議員に立ち、しかも、がんを患いながらも最後まで議場に立とうとしていました。 二村夫妻は玉川学園の卒業生。その創立者の小原国芳さんの教えに生きていた。 「人生の最も苦しい、いやな辛い損な場面を真っ先に微笑みを以って担当せよ。」 同じく学園の卒業生である薬師丸ひろ子さんが、NHK朝のドラマ「エール」で豊橋空襲の焼け野原で「うるわしの白百合」を歌いました。 今年の4月に3回目の彼の選挙があったのですが、立会演説会があった白山会館は、豊橋空襲の爆心地。 先人たちは、どん底から希望を胸に生きてきた。同じく病身の彼も、あくまで次代を見据えて踏ん張っていた。 そして、葬儀では彼の長女が語っていました。「まわりの方とのご縁は宝物」 そこに、一輪のうるわしの白百合を見るようでした。

2023年11月04日

女優・谷よしの

東日新聞の1面コラムで、女優の谷よしのさんが紹介されていました。 映画「男はつらいよ」全48作でほぼ全作に出演。 ただ、セリフが少ない小さな役ばかりだったと。 山田洋次監督は「谷さんという人は、ごく普通の人を演じることができる。 まるで風景のように歩いたり佇んだり出来る人・・・脇役のお手本のような女優です。」 このような存在がいてこそ、主演の寅さんの輝きが増す。 あるいは、その脇役と主演との関係性の豊かさに輝きが生まれるのかもしれません。 それは、映画だけではなく、実人生にも通じます。輝いている人の周りには、必ずそれを支える人たちがいる。 しかし、そのような存在は、空気のように溶け込んでいるので、見えにくい。 私たちもどれほど多くの人のお世話になって今日があることかと想像できます。 そこに気づいてこそ、真実なものが見えてくる。 そのお世話になった人は、今日を生きる人だけではなく、亡くなった人たちも数多いでしょう。 会社経営でも、そんな脇役の皆さんの存在に気づいて感謝して参りたいです。 そして、会社の成果とは、その感謝に比例するかもしれません。

2023年10月24日

酒井忠次の最後

NHK大河ドラマ「どうする家康」第39話「太閤、くたばる」で、家臣であった隠居の身の酒井忠次が、家康にお願いをします。 「天下をおとりなされ。」 忠次は、家康を抱き寄せて、これまでの家康の苦労をねぎらう。 「殿があまたの困難を辛抱強くこらえたから、我ら徳川は生き延びられたのです。」 そして、「えびすくい」を踊り出す。 この踊りは、忠次が本家本元で、長篠の合戦時に陣中大笑いして恐怖を忘れて勝利に導いたものと言われる。 緊迫した時こそ笑いを忘れない。三河武士たちの結束ぶりが伺える踊りです。 そして、家康にお願いした後で、最後を迎える忠次が描かれていました。 ある雪の日に、殿から出陣の命が下ったとのことで、外に出て身支度をする。「参らねば。」 妻はそれを止めずに「お手伝いいたしましょう。」そこで、息絶えて崩れると妻は頭を垂れる。 「ご苦労様でございました。」そんな家臣たちを抱える家康を太閤も羨ましく思っていた。 その忠次は、わが故郷の吉田城の城主でした。 家康に激励を送る生き様に、わが故郷がエールの街と呼ばれる源流を見たようでした。

2023年10月16日

アミタヴ・ゴーシュ氏

今年の夏の暑さは、尋常ではありませんでした。それは天からの呼び声かもしれません。 8月27日の読売新聞あすへの考で米国在住のインド人作家・アミタヴ・ゴーシュ氏が紹介されていました。 資源の大量消費に至る気候変動等の起源は大航海時代に遡ると。 1621年にオランダ政府代行機関の東インド会社が香辛料を求めて現インドネシア領東端のバンダ列島に武力介入して収奪。 その後も、アフリカと南北アメリカで複数の文明を消滅させる。 そして、英国のアヘン戦争。欧米人は、自然を人間から切り離して、わがもののように支配して正当化してきたのだと。 かたや、人間を自然の一部と捉えたマハトマ・ガンジーは非暴力で抵抗。 「私は人間だけではなく、全ての生命と一体になりたい。地上を這う存在とも一体となりたい。 私たちが同一神の子孫であるのなら、全ての生命は、それがどんな形態であろうとも、本質的には一つなのです。」 宮崎駿監督それに連なる宮沢賢治の作品を思い出しました。 われら先人たちは、自然の中に身を置いて、それを畏敬して災害をも受容しつつ、森羅万象の声を聞こうとしていました。

2023年10月09日

VIVANTと吉田松陰

TBSドラマ「VIVANT」を視聴しました。番組のエンドロールで豊橋市の千切りのマークが流れていたのですが、 国道の通行規制や数千人規模のエキストラといった難易度の高いロケを実現していました。 このドラマの監督であり脚本を書いた福澤克雄さんは、豊橋ふるさと大使でもありました。 ですから、このドラマを後支えしていたのは、わが故郷らしい。それが、あまり知られていないのも、さらにわが故郷らしい。 そして、この時代の愛国心が問われていたように感じました。日本を愛するとは。 主人公は、日本刀の鋼材であるヤスキハガネの産地である島根県安来市の出身。 あの戦争以来かもしれませんが、国家のために命を懸けることを呼び覚ましてくれたようでした。 武士の心とは、これいかに。さらに、日本のあり方とは。 宗教戦争のように自身の正義を主張することではなく、多様性を尊重して相手を受け入れること。 今一度、私たちの先人たちが、いかに生きたかを知る必要があります。 黒船に乗り込もうとした若き吉田松陰とVIVANTが重なりました。かくすれば、かくなるものと知りながら、やむにやまれぬ大和魂。

2023年09月26日

陸の王者とは

慶應義塾高校が甲子園優勝を果たしました。応援歌の「若き血」が何度も甲子園で鳴り響いていました。 最後のフレーズに「陸の王者」とあります。果たして、陸の王者とは何者か。 数年前にTBSドラマで「陸王」がありました。 陸上の花形競技であるマラソンで優勝する人だけではなく、シューズを作る人を含めた応援者たちを描いていました。 今回の主将の試合後のコメントで 「本当に自分たちが持っている実力プラスアルファの力をこの大きな応援が与えてくれた。 自分たちの力だけじゃなくて、応援してくださった全ての人のおかげで優勝だと思っています。」 王者とはこの応援の力を知っている。福沢諭吉流に言えば、独立自尊であるけど、社中協力して事をなす。 NHKドラマ「エール」で主人公は、妻をはじめ多くの人に支えられて応援歌を書き上げてきた。 その終着点にあったのが「栄光は君に輝く」 コロナ禍の中止および無観客を経て、応援することの価値は高まり、今回の優勝を通じて結実したかのようでした。 そして、若き血は、ブーメランのように歌っている人にエールが帰ってきます。 王者とは、応援者でもありました。

2023年08月24日

背中のかまきり

台風一過の暑い日に上京して参りました。 深川の木場公園の木陰で弁当を食べていると、何やら背中に動くものが感じられます。 風が虫を運んだものと思い手を回します。しばらくすると、また動くが数回繰り返される。 とうとう立ち上がって、本格的に取り払おうとするものの、後ろを見ることができません。 当惑していた真っ只中に、ジョギングをしていた男性が足を止めます。大きな目をして近づてきてくれました。 「かまきりですよ。とりましょうか。」「お願いします。」私の背中から、かまきりを落としてくれて、「こいつですよ。」 走り去っていかれました。私の心は、ほのぼのと温かくなりました。 このように私には見えないことがあります。しかし、周りにいる方々が助けてくれる。 また、周りで困っている人がいます。今度は私が助け舟を出す。 その公園を後にしてから、取引先の社長宅を訪問しました。 商売の上でも、お互いにかまきりを取り合う関係だなと思いました。相手に助けてもらい、相手を助ける。 そして、助けたら、恩着せがましくなることなく、走り去った人のようになりたいものです。

2023年08月18日

読者との共同作業

こちらの商人日記は不定期投稿ですが、15年以上続いています。 今日まで続くとは、それを読んで下さり、答えてくれる方の存在ゆえだと気づかされます。 当初は、しばしばし高校時代の同級生が「読んでいるよ。」と声を掛けてくれました。 商売も同じで、答えて買ってくれるお客さんの存在によって続いていきます。 その意味では、こちらの日記も読者との共同作業です。 今回、これまでで始めての記憶ですが、以前の投稿より1か月以上経過しての投稿となりました。 少しお休みを頂いたからこそ「商人日記を楽しみにしています。」との声が、この日記を支えているのだと気づかされました。 関係者の皆さんに感謝申し上げます。 それは、ほんの小さな一言かもしれません。そんな一言には、大きな力があるのだと思います。 私も個人的に大きなことはできませんが、一言だけでも、率直に思ったことを相手に伝えるように努めています。 そんな積み重ねが、この社会では大切なのだと信じて参りたいです。この日記のご感想など引き続きお寄せ下さい。 きっとそれを力にして、もっとよい文章が生まれてくる予感です。

2023年08月08日

江崎玲於奈氏と天職

ノーベル賞受賞者を囲むフォーラムで江崎玲於奈さんが中高生に語っていました。 「わが人生、何をなすべきか。私はどんなタレントを持ち、何を得意とするか。何が自分の天職か。 何を自分の使命とするか。まずは、それを考えてほしい。」 五十路を越えた私にも、この言葉は響きます。それは、若い中高生への言葉だけではないのかもしれません。 かえって、中高生では、まだまだ自分のタレントを見極めるのは難しいでしょう。 これは生涯にわたるものであり、天職とはいつまでも天にあって、そこには至れないもの。 常に求め続けるもの。その意味では、求めるだけで人生は終わってしまうかもしれません。 また、自分だけを考えるのではなく、周囲の人たちのことも考える必要が出てきます。 そんなことに気づけるのも年の功かもしれません。加えて、思いもよらない事態が人生には生じてくるものです。 江崎さんのような功績のあった方とは違ったあり方があるのでしょう。個人的には、名もなき人のあり方に魅かれます。 人生は何をするかよりも、生じる事態を微笑んで受け止めることに価値があるように思います。

2023年06月30日

ふるさとは天国

牧師であった義父が逝去いたしました。晩年は函館国際ホテルで結婚式の司式をすることがご自分の務めでした。 ところが、先月体調を崩しても、今月のご自分の務めを果たそうとされていました。 幸いに、代わりの方がみつかり、無事に式を挙げることができました。 その後、体調が急変したため、すぐに家内と函館に飛びましたが、すでに死を覚悟しておられました。 ご自分の葬儀のテーマは「ふるさと」、そんな状況の中でも、ご自分の最後を淡々と準備されていました。 義父を見舞った夜に、家内と散歩に出ると、行きついたところは、土方歳三最期の地でした。 「鉾(ほこ)とりて月見るごとにおもふ哉(かな)あすは屍(かばね)の上に照(てる)かと」 その後、義父は「苦しいので、もうこのあたりで」 私の子供たちも駆けつけて「孫たちは宝だ。天国で祈っている。」しばらくして息を引き取りました。 その葬儀では「ふるさと」をみなで歌いました。われらのふるさとは天国なり。 たとえ自分の立場が危うくなっても、自分の果たすべき分をわきまえて忠実に事をなす。義父の名前は忠彦でした。

2023年06月20日

地方自治と自主外交

読売新聞で猪木武徳さんが地方自治と外交のつながりを語っていました。 福沢諭吉の「地方分権は外国交際の調練」を引用して、 「自立的な外交の力をそなえるには、国民が地域という具体的な場所で地方自治の精神を自ら学ぶことが求められる」 昨日、商店街振興組合を解散して、新たな議論の場をつくることを仲間たちと決断した時で、この論稿に激励を頂きました。 まずは、足元の自分自身、すなわち地域社会が自立してこそ、はじめて国家の外交も自立的になれる。 そして、「地域に関わる事柄は、その地域を一番よく知る住民の意思と責任の下で行うという原則が尊重されなければならない。」 その覚悟を促しつつ「日本の地方自治が活力を得るには、『財政の自立性』が実効的でなければならない。 地方財政を誘導する中央の手綱を弱めるためにも、憲法における地方自治の本旨を改めて検討すべきであろう。」 そこには、国民が国家に依存するのではなく、国民が国家を支える旨がある。 福沢諭吉の「一身独立して一国独立す」地方の自営業者たちが自分の手で稼ぎ、地域に国家に貢献することが自主外交への道標です。

2023年06月01日

パリとハラミちゃん

ピアニストのハラミちゃんがパリの街を訪れたNHKのドキュメンタリーを視聴しました。 ハラミちゃんが小学3年生の時に描いた絵は、「みんなが笑顔になれる街」 ピアノを弾いている女の子の周りでさまざまな人が笑顔で見守っている。 パリで出会った女性がお別れに「オ・シャンデリゼ」をハラミちゃんに歌います。 「街を歩く、心軽く、誰かに会えるこの道で、素敵なあなたに、声をかけて、こんにちは、私と行きましょう。」 ハラミちゃんの活動の原点は、この女性と同じく街で演奏するストリートピアノにあったそうです。 ストリートとは何か。それは、劇場とは違って、どんな人も受け入れて、ギャラを求めない。 そこには、パブリックとも表現される対等な関係性がある。 そして、本来の音楽の楽しみとは、お金や名声を越えたところにあるのかもしれません。 このストリートピアノを通じて、本来のハラミちゃんが覚醒したように思いました。 街とは、自分が自分になれる自由を与えてくれるところ。 それは、みんなが笑顔になれるところであり、「いつも何か素敵なことがあなたを待つよ」と歌いたくなりました。

2023年04月29日

商業者の一新

豊橋商工会議所の神野会頭が新年度の方針で 「従来のまちづくりの発想は、商業で盛り上がることに主眼が置かれていた。 組織もそれに準じて作られた。これでは今の時代にあわない。新時代にあった組織に一新したい。」 豊橋駅前の商業者たちの組織に所属する者として、商業を再考してみたいと思いました。 そもそも商業とは何か。従来型の商品を売り買いすることで利益を得ることにとどまらず、 新時代にあった商業があるのではないか。 商業で盛り上がる、市民が自分の手で稼ぐことは変わらないことのように思います。 そこで、商業には、他の産業に比べて、人間性がより濃厚だと感じています。 本質的には、人と人を結びつけて利益を得るビジネスとも言えます。 この結びつきに人間性が投影されますが、この部分は今日ますます求められているものです。 さらに、これまで提供してきたものは商品でしたが、今日は目に見えないサービスに代わりつつある。 隣人の最も近いところで、その困りごとを隣人とともに解決するのが商業ではないか。 その視点で、商業を問い直し、自らを変えていく。商業者の一新こそ事の本質です。

2023年04月27日

ハナミズキと子供たち

当店のあるマンションの中央には、ハナミズキの木があります。 こちらの木が、3年ほど経過しても育ちが悪いため、別の木に植え替えることとなりました。 この植え替えに取り組んで下さっているのが、小学校の校長先生であったマンションの住民です。 その方が、この木の生育ぶりを「100に対して55」ほどと言われていました。 そして、この木を捨ててしまうのは惜しいので、街路樹として歩道に植え替えたいとお願いがありました。 その時、歩道を管理する組合の代表として、「100に対して55」の木を植えるのは、皆さんからの理解が得にくいと言ってしまいました。 その方からすると、歩道の植え込み先は、日の当たりが良いところで、もしかしたら再生するかもしれない。 その時、教育者の一面を垣間見たようでした。自分が育てた木には、愛着が伴っているとのこと。 ハナミズキの木と子供たちが重なりました。 多くの子供たちを育ててきた先生は、今は見劣りをしても、いつかは必ず花を咲かせる時がくると信じて来たのでしょう。 そんな心こそ、まちづくりには大切なのだと教えて頂いたようでした。

2023年04月18日

街路樹のお世話

駅前商店街の代表理事に就任して1年が経とうとしています。 最近は、どこの街に出掛けても街路樹廻りに目が行きます。すると、雑草の生えたところが散見されます。 しかし、よく手入れされていると、その街の民度の高さなるものを思います。 ところで、お世話は誰がしているのか。それは行政だけの仕事でしょうか。 私たちの商店街であれば、地元の住民たちですが、担い手が少なくなっています。 そして、お世話をしている人たちが高齢化を迎えています。 先日近くの通りの九十を越えた女将さんが、通りを紫陽花通りにしたいと夢を語ってくれました。 ただ、お世話をしている自分の体力は限界だと。 そして、自分に代わる担い手がいないことを深刻な顔で打ち明けてくれました。 家族やご近所にも、このことを相談することができないようでした。 こんな皆さんが全国に沢山いるのだなあと想像しました。 まずは、自分の店の前からです。いつのまにか、そんな当たり前のことが軽視されているようです。 私も含めて若い担い手が、このことに気づいて、美しい街を自分たちの手で作って参りたいです。

2023年04月08日

のんのんと桜

桜の花が満開を迎えています。 その桜が蕾を大きくしていた頃、私の高校時代にまだ幼稚園児であった牧師の娘さんが急死されました。 当時「生物」の教科書を「いきもの」と読んでくれたのが記憶に残ります。 私たちの結婚式では結婚行進曲ならびに家内の独唱の奏楽を担当してくれました。 控えめな人柄であるものの、ピアノのタッチはとても力強く、そのギャップが魅力でもありました。 ある時、世界一周旅行に旅立つこともありました。 子供たちのお世話をよくしてくれて、「のんのん」の愛称で慕われていました。 晩年は、教会で駄菓子屋を開いて、子供たちに優しい眼差しを注いでいました。 その短き命は、桜とも重なります。そして、桜は、上を向くようにと促してくれます。 ちょうど、豊橋商工会議所が130周年の記念の年となり、今後10年先を見据えて 「FACE UP!~顔を上げて世界を見よう~」が打ち出されました。 今日花見をすれば、自然と顔を上げることができます。 先に逝った皆さんは、桜の花でもあるかもしれません。さあ、顔を上げよう! その桜の花の向こうには光が見えて、私たちに注がれていました。

2023年03月31日

ピューリタンと言葉

合衆国で暮らす高校時代の同級生とは、誕生日にお祝いし合うことが30年近く慣例となっています。 彼は一貫して、言葉を学ぶことを訴えてくれます。 言葉を正確に理解していれば、相手に言葉が突き刺さるのだと助言をしてくれるのです。 今回は、歴史を紐解いて、メイフラワー号でオランダからアメリカ大陸に渡った ピューリタンたちのことを引き合いに出して、いかに彼らがよく言葉を学んでいたかを語ってくれました。 母語だけでなく、ラテン語、ヘブル語、ギリシャ語にも精通していたと。 原語に当たると同時に、まずは日本語だと。 「ホツマツタヱ」という漢字以前にわが国固有の文字があったとする文字を紹介してくれました。 そして、日本伝来の仏教や神道のことを突き詰めるようにと促します。 そんな時に、四十を越えた後輩から、ようやく英検一級に合格したとの知らせが入りました。 学びは学生時代で終わるものではなく、いつまでも続くものと励まされました。 また、年齢が深まってこそ、経験が伴ってこそ、言葉への理解は深まることでしょう。 人生100年時代には、言葉を深めて参りたいです。

2023年03月16日

明日への発展的解散

当店が所属する商店街振興組合は、只今その目的を見直して組織を再構築しています。 また、この組合をはじめ市内にある様々な組合が加盟する中小企業団体連絡協議会という異業種交流の団体があります。 もともとは、昭和27年10月に戦後の経済危機を乗り越えるため市内中小企業者の発展に資することを目的として設立されました。 先月末に臨時総会があり、設立当初の目的を果たして役割を終えたとして発展的に解散となりました。 この解散に至るまでに、昨年来から事務局が全組合員へのヒアリングを実施。役員会での丁寧な議論。 交流の場の代替提案など。豊橋信用金庫理事長・山口進会長はじめ関わる皆さんのご尽力によって解散に至りました。 当組合も、まさに豊橋空襲の爆心であった丸物百貨店があった地区であり、そこから皆で結束するために誕生しました。 そんな先人たちの足跡を思い出す時となり、変えて行く勇気を持つことが問われました。 発展的に解散とのことで、未来を見据えて自分たちの意思で解散できたことに明日への道標を感じました。 当組合もそれを鑑として、明日につなげて参りたいです。

2023年03月03日

三景さんのカステラ

先月から少し体調を崩してしまい、1週間ほど静養する時間を持たせて頂きました。 寝込むと、小さなころのことを思い出します。「よっちゃん、何か食べたいものある。」 祖母が聞いてくれて「カステラ」と答えました。祖母は近所のカステラ屋さんに買いに行ってくれました。 実は、そのカステラ屋さんは、同級生のご両親が二人で切り盛りする小さなお店でした。 おじさんはいつも白帽子と白衣姿で、おばさんはとてもおっとりした方で、今でもそのお二人のことが鮮明に思い出せます。 お店は「三景」(さんけい)というお名前でしたが、今日は店を畳まれてしまいました。 今日も体調を崩すと、その三景さんのカステラが恋しくなるのです。 今思えば、当座はそれほど感じていなかったのですが、どれだけその味に助けられたことか。 この年齢になって、貴いお仕事をされていたのだなと痛切に感じています。 そんな祖母やカステラ屋さんの背後にあった愛情を思い出して、また元気になれるのでした。 愛情が込められていれば、思い出だけでも十分なのかもしれません。カステラの思い出が今なお私を支えていました。

2023年02月23日

福田恆存氏の道具観

評論家の福田恆存(つねあり)さんが学生たちに語った講義録を読んでいました。 書籍のタイトルは「人間の生き方、ものの考え方」(文春学藝ライブラリー) 言葉は道具であるから説き起こして、道具とは、単なる物ではなく、人間の心と結びついたものである。 「道具にしろ物にしろ、それはすべて心を離れては存在しない。心そのものである。 あるいは、心と物とが、物質と精神とが出会う場所である。」 私たちが販売している料理道具からも、それを感じることができました。 昨年から「フライパンは愛なんだ」というタイトルのポッドキャスト番組を開始していますが、 そのタイトル名を解説してくれているようでもありました。 道具を通じて、見えない心が立ち現れる。その心とは、他者に対する思いやりや優しさとも表現できます。 そして、その道具を使う人だけではなく、作る人、売る人にもそれぞれに想いがあります。 特に、売る人は、この道具の本来の価値をお伝えする立ち位置にあるのかもしれません。 私の手を通じて買われた皆さんとももに「フライパンは愛なんだ」を体感して参りたいです。

2023年01月31日

年賀会での陣太鼓

あけましておめでとうございます。恒例の豊橋商工会議所の年賀会が開催されました。 神野吾郎会頭が、現実を楽観視できないもののポジティブに考えて立ち向かおうと挨拶。 現実の厳しさを覚悟しようと受け取れました。 そして、会の締めに、和太鼓志多らの皆さんの演技がありました。 さながら、戦国武将の陣太鼓のようでした。 腹の底から響いてくる音響に、浮ついた雑念が取り去られて、一心不乱の心持ちに至ります。 新年への覚悟が座ったようであり、新年へ挑む心構えが整ったようでした。 和太鼓の力を思い知りましたが、どうして今まで気づけなかったのか。 豊橋技術科学大学の寺嶋一彦学長が挨拶で言われていましたが、 その会場にいつにない熱気が漂っていました。私も含めて、現実が厳しいからこそ切実な想いが醸成されていた。 「とにかく前に進もう!進むしかない!」 そんな時に和太鼓のドドンは、いよいよ心に響いてくるのだと思いました。 その場には、豊橋を先導する皆さんが結集していましたが、この皆さんが連携・変革・共創して一つとなっていく。 2023年に向けて、いざ、出陣だ!

2023年01月05日

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