フィギュアスケート女子の五輪代表争いは、熾烈な競争と報道されていました。 同郷の鈴木明子選手は、軽快に滑っていたのですが転倒。 「あ~」という溜息が私の口からも。 しかし、変わらず笑顔で立ち上がります。 そして、ウエストサイド物語の軽快なリズムにのって、楽しげにスケーティング。 フィナーレを決めると、日本では稀なスタンディングオベーション。 点数が出る前から、私の目頭も熱くなりました。よくぞ、やってくれました。 滑れるだけで幸せと語っていた彼女は、大好きなスケートを楽しんでいたのです。 しかも、天からのご褒美。大逆転で五輪の切符を手にします。 何もかもが競争となって、本当に大切なものを教えてもらったようです。 彼女の演技には、スケートができる幸せが満ち満ちていました。 もはや、点数だとか、代表だとか、あくせくする世界がちっぽけに見えてきます。 生きるって素晴らしい。「生きているだけで丸儲け」ある芸能人が語っていました。 バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」の旋律が聞こえてくるようです。
2009年12月29日