フライパン倶楽部

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高校時代の国語の先生に、書店でばったり再会しました。 「やいち先生ですね。」 「お~、こんなところで何している。」その雰囲気は変りません。 すると、先生のありし日の「高瀬舟」の朗読が蘇りました。 安楽死をテーマにした鴎外の短編です。 独特の抑揚のある語りで、朗読の名手でした。 母校をこよなく愛し、ライバルの伝統校をいつも目の敵にして、 その語りで葉っぱをかけてくれたのが懐かしいです。いつも教室は大爆笑。 ある時、やいち先生と草取りをしていると、 「たかつ~、おまえ、どこの大学を志望しているの。」 率直に「東京大学です。」と答えました。 「お~素晴らしい。おまえなら大丈夫だぞ~。」 ニコニコしながら答えてくれました。 遠い大学が、急に身近になりました。 このよく晴れた運動場での会話は、未だ記憶に鮮明です。 結局、その大学には入れませんでしたが、その言葉だけで十分嬉しかったのです。 「先生、何かおすすめの本がありますか。」 「お~この納棺夫日記がいいぞ。それより、今度家に遊びに来いや!」

2008年12月22日

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