天才という言葉を見聞きすると抵抗を覚えます。 その言葉によって、天才たる当人が錯覚して、人間離れするのを危惧いたします。 その果ては、天災に遭ったような惨めな結末が待っている。やはり人間ゆえですが。 日本人全般は、すぐに人間を神様にしてしまう傾向があるようです。 しかし、人間はどこまで行っても人間。 そんな訳で、優秀な子供がいたら、「天才」や「神童」などの言葉は慎むべきでしょう。 もし、天才と呼ぶのなら、「あなたの能力は、あなたのものではないよ。 神様がみんなの益のために天から与えてくれたのだよ。」きちんと教えてあげるべきです。 その子の明日を思いやり、みんなで大切に育てて行く。 天才呼ばわりされて、どれほどの人材が潰れてしまったことでしょう。 それこそ、国家の大損失。マスコミも周囲も心すべしです。 最後の海軍大将であった井上成美(しげよし)さんが日露戦争で功績のあった 東郷平八郎さんについて晩年語っていました。 「人間を神様にしてはいけません。神様は批判できませんからね。」
2008年12月19日