旅先で出会ったのが、井口喜源治(きげんじ)先生でした。 信州のペスタロッチとも呼ばれ、子供たちをこよなく愛されました。 明治31年に研成義塾という学校を開き、自らの手で800人の卒業生を育て上げます。 国からの援助には頼らず、清貧な生活に徹します。 幾多の経営危機を乗り越えて、病に倒れるまで教え続けました。実に、34年間。 先生の口癖は、「偉い人ではなく、良い人になれ」 その志は今日に受け継がれ、安曇野の中心地に、 「井口喜源治記念館」が建っています。そこが、私の出会いの場でした。 そこで手にした本に、私の心を捉えた言葉がありました。 「今与えられていることにベストを尽くせ。しからば天職は自然に明らかに知られるようになる。」 井口先生はこの言葉をひいて、生徒に教えていました。 「青年時代は、誰でもその方針に迷うものであるが、 今与えられている仕事に最善を尽くせば、必ず善き道が開けて行くものである。」 それは、私に語っている言葉のようでした。時を越えて、私も井口スピリットをいただきました。
2008年09月06日