中学校時代の校長先生は兵東政夫先生でした。 全校朝会での先生の話は、一冊の本にもなっています。 シベリアに抑留されて、日本語に飢え渇き、 そこで見つけた日本語の「罪と罰」を貪るように読んだお話など 今でも記憶に残っています。 昨年そんな先生が、「軍都豊橋」という本を出版されたと伺い、 地元の書店で購入。ところが、その出版と時をほぼ同じくして先生は 逝ってしまいました。もう一度お会いしたかった。 先生は、入学した時に、全校生徒一人一人に直筆で書いた表札を プレゼントしてくれました。「中部中 高津由久」 私の家にも掲げてありました。 自分の名前に誇りを持てと、教えていただきました。 名前とは、他と自分を区別するものであり、 自分が自分であることのシンボルでもあります。 自分を大切にするとは、自分の名前を大切にする事でもあります。 そして、正々堂々と自分の名前を掲げて生きる。 そこには、逃げはなく、責任が伴います。 匿名が蔓延するネットの闇世界。名前こそ、光を灯す明日への道標です。
2008年10月28日