憲法学者の山本龍彦さんの著書「アテンション・エコノミーのジレンマ」に希望を感じました。 市民から自由を奪う怪物であるリヴァイアサンは、今日は国家ではなくて、 デジタル空間を席巻するプラットフォーマーだと。 新たな怪物は、人間からアテンションを獲得するために刺激的で魅惑的な情報やコンテンツを流し続ける。 その結果、人間の欲望が膨らんで、自分で選ぶ自由を奪われてしまう。 かたや、自由意思は虚構とする認知学者の下條信輔さんとの対談は、この著書の白眉でした。 山本さんの手がかりは、オデュッセウスの智慧でした。 ギリシャ神話で、セイレーンという怪物の美しい歌声を聞くと、聞きほれて船が遭難してしまう。 そこで、船乗りのオデュッセウスは、自分の体をマストに縛り付けて、セイレーンに遭遇するものの 無事に航海を終えることができた。このように、理性が働いている時に対策を施しておくこと。 そこで、ガンダムの主人公アムロの言葉を引用します。「人間の知恵はそんなもんだって、乗り越えられる!」 信じること、そして望むこと。それも弱き人間が授かった力です。
2025年01月31日